より明るい未来のためのデザイン実践

長年にわたり、環境に配慮した素材や製造工程で作られた製品の選定に重点が置かれてきました。照明デザイナーには、照明デザインを通じて二酸化炭素排出量を削減するという期待も高まっています。
今後、照明が環境に及ぼす総合的な影響に、より一層の注目が集まるようになると思います。ワット数や色温度だけでなく、製品や照明デザインのライフサイクル全体における二酸化炭素排出量も重要です。美しく、快適で、居心地の良い空間を創造しながら、よりサステナブルなデザインを実践していくことが鍵となるでしょう。

照明制御システム適切な時間に適切な量の照明を使用し、不要な照明器具はオフにし、さらに二酸化炭素排出量を削減する機能も選択しましょう。これらの対策を効果的に組み合わせることで、エネルギー消費を大幅に削減できます。
設計者は、照明器具の属性を選択することにより、エネルギー消費をさらに削減できます。光学レンズやグレーザーを用いて壁や天井に光を反射させる方法や、ホワイトオプティクスの内面コーティングを施すなど、追加のエネルギーを消費することなくルーメン出力を高める照明器具の選定も選択肢の一つです。

建築設計のあらゆる側面において、居住者の健康と快適性はますます重要な考慮事項となっています。照明は人間の健康に幅広い影響を与え、その結果、2つの新たなトレンドが生まれています。
サーカディアン照明：科学が理論に追いついていないため、サーカディアン照明の有効性に関する議論は依然として続いていますが、議論が続いているという事実は、このトレンドが今後も続くことを示しています。多くの企業や建築事務所が、サーカディアン照明が居住者の生産性と健康に影響を与える可能性があると考えています。
昼光採光は、サーカディアン照明よりも広く受け入れられている技術です。建物は、窓と天窓の組み合わせを通して、可能な限り多くの自然光を取り入れるように設計されています。自然光は人工照明によって補われます。照明デザイナーは、自然光源に近い照明器具と遠い照明器具のバランスを考慮し、自動ブラインドなど、室内で使用される様々な制御機器と連携して照明制御を行い、自然光のグレアを軽減します。

ハイブリッドワークの増加に伴い、オフィスの利用方法は変化しています。オフィススペースは、対面勤務とリモート勤務のワーカーが常に変化する状況に対応するために多目的に活用でき、作業内容に合わせて照明を調節できる照明コントロール機能を備える必要があります。従業員はまた、個々のワークステーションや会議室において、画面上で自分の姿が美しく映える照明を求めています。企業は、より魅力的なオフィス空間へと改装することで、従業員のオフィス復帰を促そうとしています。

照明のトレンド照明は私たちの嗜好、ニーズ、そして好みに合わせて変化し、進化します。優れた照明は視覚的にもエネルギー的にも大きなインパクトを与えます。2022年の照明デザイントレンドは、年が進むにつれて、そして将来に向けて、インパクトのある、そして思慮深いデザインを全面的に採用していくことは間違いありません。